長かった「夏休み」も9月末には終了し、いよいよ国会議員の面々が永田町に戻ってくる。
この原稿を執筆している時点ではまだ確定には至っていないが、臨時国会がこの9月末にも招集される見込みだ。
そして臨時国会招集に先だって16日から18日にかけて、内閣改造、副大臣、政務官人事、および自民党役員人事が行われる見込みとなっている。この一連の人事では、注目すべきポイントが幾つかある。
まず、連立与党の一角を占める日本維新の会が、これまでの閣外協力から閣内協力へと大きくその立ち位置を変える点が挙げられよう。そうであるならば、いったい誰がどのポストで処遇されるが焦点となってくる。
昨年10月、第一次高市政権が発足するに際して、高市早苗氏はいきなり大ピンチに見舞われたと言っていい。
それと言うのも、高市政権にとっても当然のことながら連立パートナーの立場を堅持してくれるものと見込んでいた公明党が、突如として連立離脱へと舵を切ったからに他ならない。この事態を受けて、高市氏が国会の首班指名選挙において首相に指名されない可能性が出てきてしまった。
そうした高市氏の窮地を救ったのが、他ならぬ日本維新の会だったのである。維新の会が連立に加わることで、高市氏は何とか政権発足に漕がつけることができた、と言っても過言ではないだろう。こうした経緯があって、高市氏が維新の会に対して感じる恩義はひとかたならぬものになったと言ってよいだろう。
このため維新の会の議員を閣僚として処遇するにあたっても、間違いなく重要閣僚ポストを用意するはず、というのが取材結果を元にした筆者の見立てだ。
加えて、先の特別国会でその維新の会が強くこだわったことを受けて関連法案の成立に至った副首都構想を前へ進めていくためにも、それに関連したポストを用意すると言うのが自然の流れだろう。
だとしたら、ズバリ総務大臣ポストということになるのではないだろうか。確かに、副首都構想担当大臣という特命担当大臣ポストを用意するという手も無いわけではない。しかしそれでは、あまりにも軽量すぎる。
かつて自公連立時代には、国土交通大臣という重量閣僚ポストが公明党の指定席だったことを考えると、あまりにも見劣りする。特命担当大臣ポストでは、維新の会サイドが納得しないだろう。
しかしここで問題が発生する。それというのも現在このポストに座る林芳正氏を外すにあたって、林氏をどのような形で処遇するのかという問題が出てきてしまうからだ。
そもそも林氏は、先の自民党総裁選挙で高市氏と党総裁の座を巡って争った人物。とは言え高市政権発足にあたっては、挙党体制を演出するたために他の総裁候補と同様に、重要閣僚ポストで処遇してきた経緯がある。
にもかかわらず林氏は、ここへ来て来年9月にも予定される総裁選へ出馬する意向を固め、水面下で着々とその準備に取り掛かっている、と伝えられている。
改めて指摘するまでもないと思うが、高市氏が来年の自民党総裁選に出馬する意向であることは100%間違いないだろう。そしてそうだとすると、林氏が次の総裁選に出馬する意向を固めたということは、林氏の動きははっきり言って倒閣運動に他ならない。当然、高市氏が林氏の動きを不愉快に感じていることは確実だろう。
であるならば高市氏が思案すべきは、そんな林氏をどのように処遇するのが自身にとってベストなのか、ということだ。具体的には、閣僚として内閣に取り込んでおくことが良いのか、それとも閣内に抱えず野に放ってしまったほうが良いのか、という点だ。
一般的には閣僚ポストから外してしまうと、外された側、つまりは林氏サイドにとっては自由な動きをすることが可能となり、総裁選への出馬には有利に働く、と解釈されている。そうであるならば、高市氏の総裁選再選を確実にするためには、むしろ林氏を閣内に封じ込めていた方が得策とする考え方もあるのだ。
ちなみにその林氏の後ろ盾となっているのが、氏の出身派閥である宏池会(旧岸田派)の領袖の座にあった古賀誠元宏池会名誉会長。そして福岡県選出の衆議院議員だった古賀氏にとって、高市政権の最大の後ろ盾である麻生太郎自民党副総裁は、同じ福岡県を地盤とすることもあって、かつては血で血を洗う激しいバトルを繰り広げてきた因縁の相手なのだ。
その自民党総裁選は、来年9月に実施される予定だ(自民党の総裁任期は3年だが、高市氏の前任の石破茂氏が任期2年あまりを残して辞職してしまったために、自民党の党則により後継総裁の高市氏の任期は残りの2年となっている)。
はてさて、さまざまな思惑が蠢く中、果たして高市氏はどのような判断を下すのか。今後、政府与党内では、来年9月の自民党総裁選を強く意識する形で様々な動きが起こってくるはずだ。今月にも実施される内閣改造・党役員人事もこの文脈で読み解いていただきたい。






























