2025年4月にはほかの事業者、投資家とともにコアリスホールディングスを立ち上げ、現在はその傘下という形になります。中小企業の一つ一つにはそれほど力はありませんが、集まることで大きな力を持ち、社会にも影響のある存在になろうということで設立したホールディングスで、この絵はその時に私が描いたもの。小さな魚がたくさん集まって大きな力になる――ということを表現しています。
3本の中心的事業と新規事業
「トライポット」という社名は「鼎(かなえ)」から付けました。鼎とは、古代中国では大切なものを煮合わせる三本足の器のことをいい、また日本でも近江商人の「三方よし」「三人寄れば文殊の知恵」「三本の矢」など、「3」がもたらす安定と協働の知恵が伝わります。この精神を受け継ぎ、DX、ブランディング、新規事業開発の3つを鼎に重ね、中小企業という公器を丁寧に温める役割を少しでも担うことができればいいなと活動しています。
私は土岐市の出身で高校卒業後は美大に進みましたが、商売の方が好きで、バイトにはまりました。両親ともサラリーマンでしたが、土岐、瑞浪、多治見という東濃地域は美濃焼の産地で、当時、焼き物のバブルが起きていたんです。ジバンシィとか世界の有名ブランドの食器を作って結婚式の引き出物などとして全国にどんどん出荷。すごく活気があって、その影響はすごくあったと私にもすごくあったと思います。
そうして美大は中退してビジネスの方に進むことにし、就職のための勉強しようと、多治見市陶磁器意匠研究所という焼き物の人材育成を行っているところに研究生として入りました。そこでの学びは本当にビジネスと直結していたので、すごく面白かったですね。そこで2年過ごし、キャラクター食器の会社に入社。そこからデザイナー人生が始まったという感じです。
起業前に勤務していた会社ではWEBとかのマーケティングの方で顧客企業の新規事業の拡大、パンフレットやホームページ、通販サイト作成のお手伝いをしていたのですが、そうした中で感じていたのは、顧客管理だったりとか、現時点でのお客さんへのサポートがなかなかされてないなということでした。そんな経験もあって、当社で最近始めた新規事業に、上場企業の個人株主のサポート、ファンづくりがあります。
昔は株主が企業に対して影響をもたらすってことはほとんどなく、上場していても企業は自社の事業を思うように進めることができたと思うのですけど、だんだん株主の力が大きくなってきました。そこで、企業が「こうしたい」となったときに株主の反対でポシャらないよう、個人株主の方たちをしっかり企業のファンになってもらっていくことで、そんなときに味方になってもらおうと。
株主の中からファンが生まれていくことで、商品も使ってもらえ、会社も応援してもらう。おまけにそのファンの中から社員採用ということも十分考えられると思うんです。 そこで、今まであまり手が入れられていなかった「個人株主へのサポート」みたいなところをデジタル化して行っていく――というのが、うちの新規事業です。
自社のファンづくりの大切さは中小企業も上場企業も一緒でしょう。企業とお客さまの関係には BtoB と Bto C がありますが、そのお客さまをファンにして離さない工夫。縁ができた後の情報発信をきちっとして会社のファンになってもらうところから、企業のブランディング、人の採用などにも繋がっていくと思うのです。
ところが、せっかくお客さまになってくれた人に対して、適切なリピート情報発信をしていない企業がすごく多い。そこで 「BtoF」という企業のファンづくりを、当社ではちょっと力入れてやっていきたいなと思ってます。
会社の価値っていろんな部分があると思うのですけど、顧客もその一つでしょう。“良い顧客”を持っているかどうか、その顧客といい関係を築けているかどうかは、 M&A や投資判断の非常に大事にキーになってくると思います。
同友会で得られた経営者の仲間
独立時、私には人脈も何もなかったのですが、愛知中小企業家同友会には、独立する前からかなりお世話になってきた女性経営者の方に「同友会、いいよ」と勧められて入りました。
じつは起業した当初、会社を組織化することは全然考えていませんでした。自分が“組織”作っていくなんて全然イメージも湧かなかったのですけど、やがて「社員さんを持ちたいな」と思うようになっていき、今では社員が10人ほどいます。そうした変化の中、組織の中で起きる問題解決の部分を同友会で情報共有させてもらえることで、いろいろ悩んだりしても、必ずそこで答えが見つかる――そういうところがすごく役に立ってます。
経営者として孤独じゃないというのも大きいですね。結構大変な時期もあったんですけど、そんな時にそれを話す相手が同友会にはいます。また、話せないことがあっても、会に行って、みんなも大変だなっていう話を聞いたり、「こうすると上手くいったよ」という話を聞くと、気持ち的に落ち着いて、もう一回仕切り直して取り組むことができたということが何度もありました。
今後も組織の“壊れない構造”を整える経営を実践し、組織が自走する状態を構築。GOを出すよりも、必要なときにSTOPを引き受ける立場で企業と人を支えていきます。
【会社情報】
トライポット株式会社
名古屋市中区新栄1丁目2-5
https://coaris.co.jp































