愛知県知多市に本社を置く学校給食用の冷凍食品製造メーカーで、「食の可能性を創造し、子供たちの成長をサポートし、未来の社会を豊かにする」を企業ビジョンに掲げています。
 この近隣は昔から卵の生産が盛んですが、鶏はいずれ卵を産まなくなります。そうなった鶏を食肉に加工する仕事のお声掛けをいただいたのが弊社の始まりと聞いています。
 その後、鶏肉を食品として加工する事業へと変わっていき、そこから「学校給食用の商品をちょっと作ってくれないか」との要望を受けて手掛け始め、だんだんそれが主となっていき、今に至る…という感じです。
 そんなふうに始まりは鶏肉系から始まった当社ですが、今は幅広いジャンルの食材を扱っています。鶏肉にそのまま味をつけた照り焼きのようなものも作っていますし、ハンバーグや肉団子のようなミンチ状の豚肉や牛肉を成形するもの、素材にパン粉をつけるとんかつやコロッケような商品、野菜を使ったものなど、幅広いジャンルの冷凍食品を生産していますが、基本的には学校給食センターで最終調理を行いますので、その一歩手前までの段階をうちが担っているというような形ですね。
 供給先は会社のある知多半島地域だけではありません。学校給食センターに商品を卸す問屋さんに納品させていただいており、販売店さんのいろいろなネットワークを使って全国各地、北は東北から南は九州まで当社の製品がいっています。ただ、やっぱり物量としては愛知県が中心で、中でもこの知多半島地域は地元ですので、製造メーカーでありながら納入業者として直接給食センターさんの方に製品を納入させていただくということも行っています。


一般の冷凍食品との違い 進む少子化への対応



 学校給食用の冷凍食品は、スーパーで販売しているような一般的な冷凍食品とは一線を画している部分があります。
 小・中学校で子供さんが食べる食品ですので、まず第一に添加物を極力使わないということ。味付けに関しても一般的なものよりも薄くし、素材を生かすというコンセプトであらゆるジャンルのものを作っています。
 「地産地消の商品を」という要望にも応えています。 学校給食は市などの単位で運営されてますので、その自治体内で採れた野菜や果物、あるいは県内で獲れた魚や肉を使いたいとの要望は多く、それにお応えできるように、仕入れのネットワークや生産者とのつながりを大事にしています。
 少子化の流れは今後も続きます。しかし児童数が減っていくことを我々には止められません。かといって学校給食以外の分野で穴埋めしようとしてもコンセプトが結構違いますから、すんなりといくものではないでしょう。となると、やはり学校給食の中で我々の商品を使っていただく頻度を増やしたり、使っていただくモノを拡大していくしかないでしょう。
 学校給食はおかずの数が決まっていますので、その献立の中で、いかに我々が持っている商品を採用していただけるかがポイントとなります。そこで学校給食センターの栄養士さんたちに対して、献立の中に我々の商品をどう使っていただくと、子供たちに喜んで食べられるようものになるかを提案したり、逆に要望を聞いて商品を作っていくという戦略でやっていきます。
 そうすることで子供たちの成長への当社の献度がより高まりますし、我々の事業の意義、会社の存在意義みたいなものもやっぱりそこにあると思います。
コッコ 学校給食向け冷凍加工食品製造工場内
コッコ 学校給食向け冷凍加工食品製造工場内

 

歴史を受け継ぎつつも必要な変化は躊躇せず




 家内の実家がここの創業家という縁があって15年ほど前に入社。社長に就任して今は四期目です。それまでは病院関係のシステムを扱っている会社に勤務。全く畑の違うジャンルの仕事をしてましたから、こちらにきて日々いろんな発見がありました。
 同友会への入会は、この地域の商工会などでも活動している経営者に「勉強になるいい会だから」と誘っていただいたのがきっかけで、もうすぐ3年になります。入ってみると定期的に小規模グループでの勉強会があり、自社の課題点とか取り組みなどをディスカッションしながらお互い見識を深めていく中で、いろいろ気づきもありますし、そこで学ばせてもらっているという感じですね。
 経営指針書を作成する会にも参加させていただきました。義父である会長に直接話を聞きながら作成したわけではありませんけれど、やはり60年やってきた歴史があります。そこで、受け継ぐべき部分は受け継ぎ、未来に向かって変えていかなきゃいけない部分、新しい時代に合わせて対応していかなきゃいけない部分は躊躇なく変化させていく――その両方でやっていかなきゃいけないと学びながら作りました。もちろん作ったら終わりというわけじゃないので、常にブラッシュアップしながら取り組んでいこうと思っています。

食品であり、教材でもある



 学校給食というのは時代によって役割とかも変わってきました。かつての食糧難時代では学校給食で育ち盛りの子供たちの栄養を確保するという役割があったかと思いますけれども、高度成長期以後の飽食の時代では、 “バランス良く栄養を取る”という位置づけになってきたと思います。
 そして直近の数年というのは、再び家庭の中での食事で栄養がきちっと取れていない子が存在するという問題が出てきており、そういった子に昼の学校給食で何とかバランスの良い栄養を確保させるというのが一つの役割にはなっていると思います。
 また学校給食を通じて食に関する知識を深めていくという「食育」という部分もあります。給食というのは単なる「ランチ」ではありません。それも学校の中でやっていく一つの学びの取り組みなのです。我々が扱うのは「食品」ではあるけれど、「教材」というような位置づけでもある――全社でそういう意識を持って事業を行っているのです。
コッコ社屋(愛知県知多市南粕谷新海2-10)
コッコ社屋(愛知県知多市南粕谷新海2-10)