Vol.28
トランプはトラヤヌスか?]―収穫逓減の法則を戦争で打破できるのか―
2026.10.1更新
日本銀行が6月に続いて9月18日に利上げを実施した。3月に日銀は2%物価目標を加味した中立的な金利を1.1~2.5%(2025年7―9月期)とみていたから、ようやく異次元中立緩和から脱したことになる。 2025年7―9月で1バレル60㌦台だったWTI(West Texas Intermediate)原油先物価格は、米・イラン間で停戦交渉がまとまらずホルムズ海峡の事実上閉鎖により9月になって一時100㌦を超えた。消費者物価(総合)は今年になって2.0%を下回っているが、今後原油高の影響で上昇する可能性が高い。日銀は中立金利の上限に向かって利上げを継続的に実施するものと予想される。 実体経済との関係でいえば、実質10年国債利回りが重要だ。実質利回りとは10年国債利回りから消費者物価増減率を控除したもので、中長期的には潜在成長率と等しくなる。この関係が成り立つのは攪乱要因(例外状況)がない場合だ。しかし、攪乱要因が相次いでいる。2020年に世界中を恐怖に陥れたコロナパンデミックがそうであり、ようやく収束したと思ったら、2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まった。今年2月には突然、米国とイスラエルがイランを空爆した。